ケイタは現在中学2年生、不登校です。中1の11月に突然行かなくなりました。行かなくなった翌月の12月。どうせ学校に行ってないのなら、学校に行っていたらできないような何かをしてみたいと考え、近所でコミュニティスペースを経営している方のところに行き、
「カフェかなんかやってみたいんだけど、『いらっしゃいませ』って言うのが恥ずかしいんですよね。喋っちゃいけないカフェにしようかな。」と話したところ、
「それ、面白いんじゃないか?このコミュニティスペースでやってもいいよ。」
と言っていただき、無言カフェーは始まりました。
無言カフェーは名前通り店内では喋ってはいけません。注文もジェスチャーでします。メニューにも文字は書いていなくて絵だけなので、絵から何の飲み物か推測して注文しなければいけません。
例えば、これ。
この写真を解読すると、アメリカの飲み物で、砂糖、卵、シナモン…一番右はナツメグ(?)、一つ不明なものもありますが、答えはエッグノッグです。
さて、店内ですが、喋ってはいけないのですが、笑い声は多いに大歓迎。逆にコミュニケーションは必須です。店内にはガチャガチャマシーンが用意されてあり、ガチャガチャではタスクが言い渡されます。そのタスクだけは文字を使うのですが、そこだけ許してくださいね。
タスクには
「あなたの子どもの頃の話しをしてください。」
とか
「一番こまったことはなんですか?」
とか書いてあり、そのタスクの答えとなることを店内のみんなに伝えないといけないのです。
機転と芝居力が試される、なかなかのゲームです。とはいえ、やってみれば意外と伝わるものです。伝わったときには何とも言えない爽快感です。
他にもたくさんゲームがあります。よく登場するのは「かるた」です。意外ですよね、言葉のゲームですから。でも無言カフェーでのかるたは絵のカードしか使いません。絵のカードだけをテーブルに並べて、一人が代表で絵のカードの一枚を表すようなジェスチャーや顔真似をします。これがまた笑いの絶えない時間になります。
たくさんの方に言われますが、無言カフェーは普通のカフェよりも仲良くなれるそうです。ジェスチャーは共同作業。相互の思いやりが必要です。共同作業は連体感を生むというのは本当ですね。
この無言カフェー、人間から言葉を取るという制約のある狭い世界に見えて、実はとてもグローバルなのではないかと思います。ジェスチャーは、第二言語を勉強してる時とちょっと似ています。一つの言い方が通じなかったら、違う表現で伝わる方法を探す。伝え「たい」ことと伝え「られる」こととの限界での葛藤と、トピックの取捨選択。そして妥協…。
ジェスチャーが世界中で通用するほど上達したらいいなぁ。
来てくださった方のレビューです。
王丸屋店主トールさん
お客さんで来てくださった百武さん
https://www.facebook.com/hyakutake.akane/posts/904446676403997